大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(オ)278 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二

五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆ

る「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。(論旨第一点所

論中、乙第三号証の一乃至四の原本を原審において顕出しなかつた違法があると主

張しているが、記録によれば前記乙号証の原本は、第一審において法廷に顕出され

て適法な証拠調を終つて居り、当事者双方は原審第一回口頭弁論期日において、事

実及び証拠につき、第一審判決事実摘示のとおり陳述し、前記証拠調を含む第一審

口頭弁論の結果の陳述をなしたことが明白であるから論旨は理由がなく―大審院昭

和六年(オ)第三七五七号、同七年七月五日言渡判決参照―、また同第二点におい

ては、上告人から被上告人えの所有権移転登記は無效であり、上告人はその登記の

抹消をなさしめることができると主張するが、たとえ無効であるとしても、その旧

名義人が曾て当該所有権を全く取得したことがなく、右無效の登記を抹消して旧登

記名義を回復するにつき実体上何らの利益をも認められないときは右無效登記につ

き抹消登記を請求する権利を有しないと解するのが相当であり原審の確定した事実

によれば、上告人は未だ曾て本件不動産につき所有権を収得したことがなく、本件

係争の所有権移転登記を抹消することによつて、登記簿上本件不動産の所有名義を

自己に回復するにつき実体上何らの利益のないことが明かであるから、上告人は本

件所有権移転登記の抹消を求める権利を有しないと解すべきであつて、この点につ

いての原審の判断は、結局相当で、論旨は理由がない)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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